floor『1』

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――桜舞い散る春の空。 学園の門の前を一人の女子高生が歩いていた。 幼馴染の彼女は笑顔で手を振る。 「おはよう」 何気ないその一言は記憶に残る最後の挨拶。 そこから先は血の景色しか覚えていない。 血に染まった大型トラックの映像。 KEEP OUTと書かれた黄色いテープ。 事情聴取をする警察官。 「ひき逃げだってよ、可哀そうに」 「まだ若い女の子なのにねぇ・・・」 これは夢? 夢に違いない。 これより酷い悪夢なんて存在しない、終わりのない悪夢などない。 きっと目が覚めたら暖かいベットの中だ。 暖かいコーヒーを飲みながら制服に着替えて、鞄を背負って学校に向かうんだ。 そしたら・・・彼女にもう一度挨拶をするんだ。
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