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「フレデリカァ!扉を開けろ!」
『お開け致します』
巨大な扉が開いた。
「俺は……帰る!とにかく帰るんだ!こんな場所には1秒といたくない!」
『お待ちください。腕を……』
フレデリカは両方の二の腕を布で縛った。
『このままでは出血多量により2階に着く前に死亡してしまいます』
「随分と優しいな小判鮫野郎。俺に惚れたか?」
『はい。以前に』
「……」
フレデリカを凝視した。
以前に?
「お前……俺を知ってるのか?」
『いえ、その……』
口ごもるフレデリカ。
「答えろ!」
『……答えられません』
「ふざけんな!答えられねぇんなら今すぐこの場で殺してやる!」
『……いえ、答えは私が言わずとも』
彼女は困ったような表情で扉に指をさした。
『出た先に結果は待っておりますので』
「……」
意識は朦朧とする。
死ぬ寸前だ、そんな状態で歩く事ができるのは怒りの感情が原因か
「あ……2階って何だ?この先にもまたこんな部屋があって、殺人鬼と殺し合いをさせるんじゃないだろうな」
『おっしゃる通りでございます』
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