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「さぁ、次の試練は2階だよ。両腕がないからといって諦めるのはまだ早い」
「身の振り方次第ではどうにでも生き残る術があるからね。あまり私に迷惑をかけないでおくれよ」
「120万、君を一人生産するために必要とする培養液の値段だ。金をドブに捨てるような真似は」
間髪入れずヘッジホックを蹴り飛ばそうとした。
しかし、彼女は煙のように揺らめいて姿を消す。
「……」
腸が煮えくり返るような悔しさを感じた。
初めから……コイツは
『ヘッジホック卿は施設内にはいません。ファントム、と呼ばれる煙に自身を投影させる科学技術で姿を現します』
『ヘッジホック卿は万物の科学技術を現代より極めて高水準で獲得しております。ですがあまりに人格が突出しすぎたあまり、政府から得た金を利用して……』
「うるせぇ!あんな糞野郎の事なんかどうでもいい!」
目の前には『2F』と大きく書かれた巨大な鉄の扉があった。
『2階に到達した人物はあなた様を含めて4人。全員が一般人でございます』
『なので急遽控え室にいた殺人鬼を1人、ゲームに加えさせていただきます』
『なので合計で5人。それでは焦る事のないよう、ごゆっくりと』
扉が開いた。
光と共に部屋の景色が見え始める。
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