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「え?……」
部屋は血で染まっていた。
血溜まりの中で頭部のない人間が3人がくたばっていた。
1人は防弾チョッキを身に付けた兵士だろうか、後の2人は警察官と思しき風貌。
「始めまして」
女性の声が聞こえた。
目の前にいたのは袴を着た黒髪の女性。
「あのー……何というか、私はコソコソと隠れて動くのが嫌いでね。自己紹介しよう!私は刹那塁!『殺人鬼』だ!」
「何せかつては武士でね。君達より遥か昔を生きていた人間なんだよ。当時……私は人斬りと呼ばれていたんだ」
「え……え?……」
女の背後から障気が溢れ始める。
知っている。
この感覚は先ほど殺人鬼宮本が産み出した『猫』に等しい。
「さて、君も男ならを申し受けるんだ。どちらかが死ぬまで……」
突如として現れた身長3m近くの巨漢。
潰れた目、高密度の筋肉。
巨大な二本の木刀。
「戦え、私と」
「……」
――生き残るわけがない。
巨漢の怪物に叩き潰された。
悔いがあるとすれば、一撃で死ねなかったという事だ。
俺は飛び散る内臓を見た。
自分の腸はこんなにもピンク色だったのかと驚く。
目の前に散らばった下半身が見える。
絶命する間際だというのに、意外な程冷静になれた。
……そんな時に気付く。
目の前にはフレデリカが立っていた。
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