floor『1』

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「爆弾魔?何か爆発物を使って、それで我々を皆殺しにしようと言うのか?」 『いえ、爆発物は所持しておりません』 『爆発物を産み出す能力を持っています』 『それが殺人鬼に与えられたハンデでございます。とはいえ…多勢を相手にすれば勝ち目はございませんが……ぐぐ』 フレデリカは痛みを感じ、口を抑えてしゃがみこむ。 「どうしたんだ?喋れないのか?」 『いえ、問題ありません。すぐに治癒致します』 「見せてみろ」 彼女の口の中は真っ赤に爛れており、口の中の皮が剥がれていた。 「……」 治癒の早さには限界があるのだろう、頭を怪我した直後だからか治りが遅い。 「……しばらく黙ってていい」 『いえ、問題ありませんが……』 「仕事だからか?痛みは感じるんだろ?」 棚に置いてあったコップを手に取り、氷が入った水を渡す。 『……』 フレデリカは女座りでそのコップを受け取り、驚いたような表情を浮かべる。 『何故そんなに優しくしてくださるのでしょうか?』 「いや、当たり前の事をただ当たり前にしているだけだよ」 『……違う。それがおかしい』 彼女は低い声でそう呟いた。 『あなたは違う。彼らとは異なった存在……』 「何?おい!今お前何て言った!」 その瞬間だった。 耳が裂けるような火薬の『炸裂音』が部屋全体に鳴り響いた。 そして何処かで猫の鳴き声が聞こえた。
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