第一章 雑草にも花は咲き

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「守人さん……もっと、永新さんに……怒ってください……」  志摩が泣いている。 この気弱な志摩は、しかし、俺を護り続けていた。 「永新、志摩を泣かすなよ……」  しかし、黒川も近寄ってくると、俺の頬にキスをして、更に唇にもキスをしていた。 俺は、志摩に握られていて、避けられなかったのだ。 それなのに、志摩の手が真っ赤になると、更に握り込んでくる。 「志摩、ストップ!骨が折れる!」  俺の悲鳴も虚しく、ボキっと鈍い音がしていた。 「……鎖骨、折れた……」  幾度も志摩に骨を折られている。 「ご、ごめんなさい!守人さん!」  そこで、志摩が慌てて手を放したので、俺は床に着地した。
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