第一章 雑草にも花は咲き

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 俺は守人様という存在で、光とリンクを持っている。 光を集中させると、傷も治りは早い。 しかし、何回も骨を折られているので、やや不機嫌になってしまった。 治るにしても、痛いということに変わりはない。 「黒川さん、永新さん。志摩をからかうのは、止めてください!」  志摩もすぐに動揺するので、面白がられてしまうのだ。 「可愛いからさ」 「そうそう」  普段、喧嘩ばかりしているこの兄弟が、こういう時だけ息が合っている。 「こういう時は、息が合うのですね。兄弟そっくりです!」  黒川と永新が、嫌そうな顔をしていた。 この兄弟は、結構似た姿をしているのに、似ていると言われると嫌がる。 黒川に聞くと、永新の素行の悪さで、 度々、嫌な目に遭ってきたから同類にされると腹が立つという。
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