第一章 雑草にも花は咲き

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 確かに、永新の素行はすこぶる悪い。 とくに下半身に節操がなく、俺の知り合いにも手を出していた。 「永新と同じにするな……こいつはな、又、新しい恋人を作った」  俺の知り合いの名張と付き合っていた筈だが、又新しい恋人を作ったのか。 永新は否定もせずに、俺の頭を撫ぜていた。 「そうなんだよね。ちょっと興味があってね。ここの下にある、パン屋の店長とね……」  誰と付き合おうと気にしない事にしているが、身近な人は止めて欲しい。 三角関係とかで、又、殺しに発展するのが怖い。 「手を出したのですか?」 「まあね……」  パン屋にはよく行き、店長も知っている。 店長は、妻子ある男性であった気がする。 しかし、永新によると、店長は家族に隠れて女装していたという。
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