第一章 雑草にも花は咲き

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目を覚ますと志摩の手の中で、時間を見るとバイトの時間であった。 慌てて身支度を整えると、喫茶店ひまわりに行った。 喫茶店ひまわりには、既に多美が来ていて、あれこれ惣菜を用意していた。  多美は八重樫家の×で、五百年を生きている。多美は昔、×の教育者であったらしい。 見た目は九十歳近いお婆さんであるが、十キログラムもありそうな、 鍋を片手で振り回していた。 「守人様、志摩さん、早く鍋から器に盛ってください」  朝は、下のカプセルホテルの客が来る。 駅はやや郊外になるが、付近には配送センターや運送会社が多くあった。 駅前にも、関連会社が多い。 配送が夜を通して動いているので、カプセルホテルにも客が多かった。
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