第一章 雑草にも花は咲き

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「はい。多美さん」  モーニングが過ぎるまで、走るように働き、一段落ついた所で多美に質問してみた。 光二の中にあるものは、何なのであろう。 「寄生型、分身だね。ほら、偉智と同じだよ」  偉智は喰うために寄生するが、 兎屋の場合は自分の能力を相手に与える為に寄生するらしい。 そのため、兎屋は客に守られていた。 兎屋が死ぬと、自分に寄生している能力も死ぬためだ。 「……色々あるのですね」 「まあ、×だからね」  兎屋は自分の能力を寄生させても、自分には何の影響もないらしい。 「光二の中に兎屋の分身がいるということは、何かの契約なのでしょうか?」  そこで、多美が不思議そうな顔をしていた。
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