第九章 ふるさとを思う

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 未来というものに重さがあるとして、守人様の未来は重いらしい。 その影響力に手を出すと、自らの生命力と未来を引き換えにしてしまうという。 「まあ、巻き込まれて消滅する」  そういう怖い存在が、守人様となる。  でも、それでも惣兵衛は助言してくれた。 それは、年長者として放っておけなかったのかもしれない。 「俺は、上月が山の上に家を作るならば、俺の家もそこに建てる。 俺は上月を一生食わせてゆくと決めたからね」  その強い確信は、どこから来るのであろうか。 でも、言われ続けていると、そういう未来も見えてくる。 「俺は、毎日、部屋でアレをされているのを聞くのは嫌だけど」  そこで、八重樫ががっくりと肩を落とした。
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