第九章 ふるさとを思う

15/24
前へ
/230ページ
次へ
「……八重樫だからね、それはしょうがないというのか……だから、 誰も一緒に住もうとしないというのか……」  八重樫も寂しいのかもしれない。村では八重樫をよく知っている。 「まあ、頑張れ。俺も、上月を保護しているからな。当分、誰にも渡すつもりはない」  黒川が、きっぱりと言い切っていた。  食事が終わると、光二にチェンジして、俺は少し眠ってしまった。 光二は、満千留と翔琉に、闇を貰っていたらしい。  目が覚めると、光二は家で外を見ていた。 「守人、俺を守ると言ったよね……」  光二は、ずっと俺に守られてきたという。 「守人様は強くて、俺は守られてきた……強くなろうとしたけど、 俺は、このままでもいいのかな?」  それは、光二には言えないが、俺が一番良く分かっている。 光二には、人以上の身体能力は望めない。 光二に特異な能力があったのならば、こんなに長く、×だと隠す事が出来なかった。
/230ページ

最初のコメントを投稿しよう!

195人が本棚に入れています
本棚に追加