第九章 ふるさとを思う

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『守人は幼いよね……目が大きくてキラキラしていて、志摩のように手の中に入れていたいよ』  すると、志摩の手が伸びてきて、俺を包んでいた。 「守人さん、捕まえました」  志摩の手の中は、俺の居場所であった。 「志摩、大好き」 『志摩、大好き』  今、俺と光二が同時に言ったとは、志摩も気付いていないだろう。 でも、志摩は真っ赤になると、指で俺の背を撫ぜていた。 俺が志摩の指を両手で掴んでキスすると、更に志摩の手が赤くなっていた。  そこで、志摩の指が俺の腹を押さえて、首の辺りをあやしてくる。 まるで、猫と同じ扱いだと抗議しようと、志摩を見上げると指が止まった。
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