第九章 ふるさとを思う

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「……私もこんな事はしたくありませんでしたが、分かって下さい。 人には限界があります。この腹など、幾ら鍛えても私には無意味ですよ」  志摩の指で潰されそうになったが、そんな事は分かっている。 幾度も、志摩に骨を折られているのだ。  志摩の爪が俺の腹に食い込み、肉が少し切れた。 血に慌てたのか、志摩の指が外れると、今度は顔が出てきて傷口を舐めていた。 「私が、守人さんと光二さんを守ります」  志摩は、いつも俺を守ってくれている。 腹の傷を舐める志摩の顔を掴むと、自分からキスしてみた。 「志摩、思い詰めるな……俺は、志摩を頼っているよ。 失ったら、生きていけないくらいにね……」  志摩がキスを返してくる。 志摩の舌は長くて、俺の口の中は、志摩の舌で一杯になっていた。 その舌が、自在に動き、あちこちを刺激してくる。 咥内が、こんなに敏感だったとは初めて知った。
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