第九章 ふるさとを思う

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 愛していると言われると、稼いで、食わしていかなくてはと思ってしまうのは、 俺が男だからであろうか。 「志摩……いつも、ありがとう。俺も大好きだよ」  志摩の指に抱き付くと、顔が横にあった。 指には抱き付けるが、首は細いので抱きつけない。 でも、擦り寄ってくるので、頬にキスしてみた。 「守人さん。護衛を真面目に検討しましょう。守人様は人で、×には敵いません。 私は、もっと守人さんと生きていたい」  護衛か、でも、俺の給料では生活でも苦しい。 山を諦めれば、結界の代金で護衛が雇えるであろうか。 「前向きに検討する」  でも、やはり余裕がないような気がする。
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