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そして、執着が激しい。
「何となく、上月には執着している」
それは、市役所の地下十三階に俺の偽装した死体が埋まっているせいもある。
同じ場所に六代目の守人様の遺体があり、その人が兎屋の思い人だったらしい。
俺と同じ無名の家柄で、素性もよく分かっていない。
「兎屋は、月に兎というように、輝夜にも縁があってね。
元は輝夜の護り人だったという説もある」
李下は丁寧に説明してくれた。
お陰で、兎屋という人は、どことなく分かってきた。
どこか妖しくて、深く接してはいけない人物らしい。
「学校に行ってきます」
一度部屋に戻り着替えると、非常階段を駆け下りる。
エレベターを降りるよりも、走った方が速い。
二階で中に入ると、パン屋の前を駆け抜けてみた。
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