第1章

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「教会には、悪魔憑き――現在魔女という名称に統一しようとする流れがあるが、それの、」 「魔女? それは悪魔憑きが女性限定のもの、ってことなんですか?」 「いや、悪魔憑きは男性にも起こり得るさ。しかし男性の場合も魔女、という名称になるらしい。おれもよくわからんが、どうせ伝承から来ているんだろう。お偉方の考え方はおれにはわからんよ」  なはは、と肩をすくめる。  それにベトもはは……と苦笑いで応える。  閑話休題、オレアンは本筋に戻り、 「で、魔女の扱いについて教会側では思うところがあるようでな。傭兵としてあちこちに行っているお前にはわからんだろうが、現在各地の教会では魔女裁判というものが定期的に行われている」 「魔女裁判、ですか? なんすか、それ?」 「魔女かどうかを判断し、魔女と認定されれば刑を執行される。そういうものだ」  ベトはしばし、沈黙した。 「……魔女って、」 「刑を執行といっても、その前に命を絶たれるケースも多いらしいし、確定したらもちろんほとんどアウトという話だ。世知辛いな、世の中は」 「…………」  いくらベトが流れモノの傭兵といっても、噂ぐらいは耳にしたことがある。  しかし眉つばと思っている魔女の、さらに眉つばのような話だ。  あまり相手にはしていなかった。  しかし実際は、それは教会の横暴のような内容だった。 「難儀だな」
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