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どちらのことについて言ったのか、オレアンは杯を傾ける。
なぜこれだけ呑むのか、少しだけわかった気がした。
ベトも杯を傾ける。
どうしたもんか、頭が痛かった。
半分くらいというか以上は、呑み過ぎという理由だろうが。
「……ここからはおれの見解になるが、聞くか?」
「もちろん」
せんせいの話を聞かないわけないっていうか小難しい頭でっかちの権力争いしてる教会の見解の方が興味ないですよ、とばかりに伏し目がちに頷くベト。
というか呑んだ3杯の酒――もとい聖水と小難しい話のオンパレードに、意識は半分ここではない場所に持っていかれていた。難儀だった。
「魔女かどうかを判断するのは、素人には難しい――と、おれは考えている。たとい周りや、難儀なことに当人が魔女だと考えていても、実際は精神的な思い込みやなにがしかの疾患である可能性が高いと考えている。だが、その境界線は曖昧だ。誰だって豹変する時ぐらい、あるからな」
それにベトはうん、うん、とふらふら頷く。
自分の場合は、戦いのときなんかそうだ。
あらゆる感情を振り払い、獣と化す。
憑かれているといえば、そうかもしれない。
「だからおれの見解としては、まず本人が知り得ない情報を持っているか。そして本人が成しえないことを行えるか。この、二点だな」
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