第1章

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 思わず目が覚め呟いた言葉に、部屋に入ってきた誰かの声が応えた。  そちらに寝ぼけ眼を擦りながら、目を向ける。  無意識に剣の柄に、手をかけて。  そこには美しい流れるような黒髪のシスターが、ぱっちりした瞳でこちらに"大口を開けていた"。 「あ、おはようございますー、シスタープライヤでーす。体調の方は、いかがですかー?」 「あー……あんまよくないから、ちょっと声抑えて」 「はーい」  その返事も声でっかっかった。  それにベトは二日酔いでガンガン響く頭を押さえる。  ――ったく、なんなんだこの娘は?  ズケズケひとの部屋に入ってきて、ばっかでかい声で喚いて。  丸っきりアレと、逆な感じの娘だ。 「……で、あんただれ?」 「えーいま言いましたよー? シスタープライヤですー」 「あーもー喚くなって……シスタープライヤ?」 「はーい、プライヤってお呼びくださーい」  ふむ。  ベトは顔を両手でゴシゴシ拭いて、ぷあ、と息を吐く。  あー、すこーし眼ぇ醒めた。  そして改めて、シスタープライヤと名乗る少女の姿を見つめた。
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