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思わず目が覚め呟いた言葉に、部屋に入ってきた誰かの声が応えた。
そちらに寝ぼけ眼を擦りながら、目を向ける。
無意識に剣の柄に、手をかけて。
そこには美しい流れるような黒髪のシスターが、ぱっちりした瞳でこちらに"大口を開けていた"。
「あ、おはようございますー、シスタープライヤでーす。体調の方は、いかがですかー?」
「あー……あんまよくないから、ちょっと声抑えて」
「はーい」
その返事も声でっかっかった。
それにベトは二日酔いでガンガン響く頭を押さえる。
――ったく、なんなんだこの娘は?
ズケズケひとの部屋に入ってきて、ばっかでかい声で喚いて。
丸っきりアレと、逆な感じの娘だ。
「……で、あんただれ?」
「えーいま言いましたよー? シスタープライヤですー」
「あーもー喚くなって……シスタープライヤ?」
「はーい、プライヤってお呼びくださーい」
ふむ。
ベトは顔を両手でゴシゴシ拭いて、ぷあ、と息を吐く。
あー、すこーし眼ぇ醒めた。
そして改めて、シスタープライヤと名乗る少女の姿を見つめた。
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