告白

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 ふたりの前歯がぶつかって、がちんと鈍い音がする。 「いた」 つい呟くと、桜井が悠斗の上唇を指でめくり、前歯と歯茎をひと舐めした。  背中の肌が粟だった。  「先輩先輩って懐いてきて、笑顔を振りまいてきて――可愛くて、かわいくて」  桜井が舌を尖らせ、悠斗の上唇をそっとなぞる。 「好きにならないように頑張ったけど、無理だった」 「無理だった」  オウム返しになる。頭がぼうっとしている。もっと舌を。 「好きだ」  桜井にぎゅっと抱きしめられて、血の巡りが急に良くなる。全身が、温かい、を通り越して、熱くなる。  「俺のこと、抱きたい?」  寒くなくなったはずなのに、声が震える。 「抱きたい」  桜井の声もすこし震えているから、悠斗は安心する。 「じゃあ、抱いて」  桜井の吐息を、全身で感じたいと思った。
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