再会

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「話はあとで聞くから。とりあえず冷める前に食べろよ、ハンバーグ」 「はい!」  やけに大きい声が出る。葉山の座席側を横切ったウェイトレスが、ちらりと悠斗のほうを見た。高校生ぐらいのなかなか可愛い子だ。少し恥ずかしくなる。  フロア奥にあるキッチンに、桜井が入っていくのを確認してから席に座った。あとで先輩と話せる、と思ったとたん、わけのわからない焦りがなくなり、消えていた食欲が再燃した。改めて「いただきます」と言って両手を合わせた。  眼前のハンバーグからは、もう湯気は立っていなかった。
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