第3章 親になっても愛し合いたい

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車に乗り込んでシートベルトをしながら、夏鈴は「よかったね」と言ってくれた。 見送られながら大通りまで来て、俺は自然とあの展望台に向かってハンドルを切っていた。 「夕日を見て、食事して帰ろうか」 「その前に、電話して子供たちの様子聞いてみるね」 夏鈴は美鈴さんに電話をかけ、特に問題ないからゆっくりしておいでと言われたらしい。 トシさんが双子の風呂を入れてくれたそうだ。あの人、ずっと風呂に入れたいって言ってたから喜んで入れてくれたらしい。 「皆、幸せそうだったよ。ようまもえりんも幸せな子だね」 「そうだな・・・」 そうだよな・・・。夏鈴が一緒にいるだけで、俺はずっと幸せだったのに、俺達の周りの人まで皆が幸せになって行く気がしてきた。 恋人つなぎをした手をぎゅっと握ると、夏鈴は笑顔を俺に向けてくれた。 「本当に、お前は幸せの象徴・・・だよな?夏鈴の存在が皆を幸せにしているみたいな気がする・・・」 「それは言い過ぎだよ・・・嬉しいけど。一人ひとり、幸せの感性があるからね。 でも、今日は本当に良かったね。 校長先生の自宅のリフォーム、がんばってね!」 「ああ・・・、ちょっと怖いけど」 「怖いの?」 「そりゃ、期待が大きくなるほど怖くなる」 「そっかぁ、そうだね。怖いけど、でもきっと晴馬にならできるって信じてる。慌てないで、落ち着いて、できることを丁寧にすれば良いんだよ。ね?いつもやっていることでしょ?」 「・・・そうだな」 「それでも怖いときは、私がギュって抱きしめてあげるよ?」
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