第3章 親になっても愛し合いたい

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「もしも、晴馬がお義父さんみたいな弱い男になりたくないって考えているなら、それは違うよ」 「・・・え?」 「お義父さんは言葉にして伝えるのが苦手だっただけで、きっと心は今の晴馬ぐらい男気溢れている人だったんじゃないかって、私は感じるの。 むしろ、甘えたいのに甘えられなかったお義母さんの方がなんだか少し寂しそうな気がする。 看護師さんをする人ってね、自分から弱音吐かないタイプの女の人多いなって思う。 私のお母さんも、そういうタイプ。 なんでも自分一人で解決してしまおうとする・・・。 知らず知らずに、子供にも夫にもその感覚を押し付けている気がするんだ・・・。 お義父さんは待ってたんじゃないかな。 お義母さんが何か大きな問題を抱えて苦しんでたことは感じていたって思うの。 えっちゃんから聞いたことがあるよ。 トシさんが不良で付き合うことを反対したのは、トシさんが不良だからっていう理由じゃなくて。 何考えてるのか話そうともしない娘に対する心配が強すぎたのかなって・・・。 えっちゃんが自分で選んだ人なら文句はないけど、結婚する前に子供ができたりしたときに無駄に不安になったり心が傷付くぐらいなら、入籍でもなんでもしなさいって言われたことがあるんだって。 お義父さんてすごく優しくて海のように広い心を持った人だったんだなって私は感じたよ。 それにね。 お葬式の時に、2人が晴馬とえっちゃんのすぐ後ろにずっと立っていたって言ってた。 その時の2人は手を繋いで慈しむように寄り添い合っていたって・・・」 ・・・なんだって?
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