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「晴馬。今、義父さんが来てる」
夏鈴の静かな言葉に、俺は涙で濡れた顔を上げた。
夏鈴が窓際の方を見ている。
そして、シーツを身体に巻き付けた。
「すまないって言ってる・・・。ずっと心配かけてごめんねって」
・・・嘘だろ・・・嘘じゃないってわかってるけど・・・。
「お酒に逃げたことはらしくないことをしたと反省したって言ってる。
お母さんの意地っ張りな性格をわかっていて、何も働きかけなかったことも後悔してるって・・・」
「夫婦喧嘩のあげくに火事まで出して、晴馬が自力で脱出してくれて本当に良かった、それだけが救いだったって言ってるよ。鍋の火を消さなかったのはお母さんだけど、料理中のお母さんの腕を掴んでカッとなって突き飛ばしたのは自分だから、全部自分が悪いんだって言ってる・・・」
言いながら、夏鈴も泣き出した。
「男なら揺るぎない覚悟で愛した人を信じぬけば良かったって・・・。信じられなくなった自分の弱さを反省しているって・・・」
「・・・父さん!!俺の方こそ、ごめん!!
俺も父さんのこと信じてなかった・・・。父さんの強さが視えてなかった・・・、気付いてなかった・・・、ごめんなさい、ごめんなさい」
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