8月・妊娠三か月目入りました。

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(残業が果てしなく続いている、プレパパくんの場合) Rrrrr…… うわっ、やば! ってまだ六時か。 だー。昨日も帰って来るのが遅かったから、なーんか寝た気がしねえな。 ふと横を見れば。 おくさん。おくさあん。 少し揺さぶってみる。 「みなちゃあん」 いつもの美那ならとっくに起きている時間だが。 ……だめだ、こりゃ。 寝かしておこう。 そおっと、そおっと。 あ、なんかもぞっと動いたぞ。 「もっと」 ……何? もっと? 何を? あ、なんかすりすり寄ってきた。 うわ、二の腕ガッツリつかまれた。 あ、また。 「もっと」 俺を? ()いやつだ。今までの俺ならここでがあっといくんだがねえ。 はあ。 現在美那ちゃんは妊婦だからな。 「美那、離してくれ。そろそろ起きないと」 軽くほつれている髪を耳の後ろにとかしてやる。 朝の光でキラキラ輝く髪、淡いピンクの頬。 なんだか神々しい。 ああそうだな。今美那は新しい命をこの体の中で育んでるんだもんな。 やべえ。 ちょっとオシモが膨らんできた。 清らかなもん見て萌えるたあ、俺外道か? 水浴びてこよう。 っと。 ……チュウくらいいいよな。 「美那……」 まつげがかすかに震える。 唇も何か言いたげで色っぽい。 あと数ミリで頬に触れる。 「もっと……もち」 「……」 ……冷めた。 さあて、飯作るか。 しかし。 ふうむ。 こいつ。今日は食えるのかな。 もち……… もちならイケルってことか。だけどあいにく餅はねえぞ、餅は。
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