8月・妊娠三か月目入りました。

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「うーーん……おかわり………」 「いーかげん起きろ、美那。遅刻するぞ」 うーん、もうちょっと。 もう少しで…… はっ? 「わ、馬鹿。急に飛び起きるな!」 「浩司ごめん、また私寝過ごした?」 一気に目が覚めた! 時計、時計。 あー七時、十分前。 あ。浩司がワイシャツの上にエプロンつけてる。 えー。 今日も着ないの?クールビズのシャツ。やわらかいピンク浩司に似合うと思うんだけど。 「何俺の首見てんだよ?ほれ、目が覚めたんなら顔洗って来い。」 「はあい」 ベッドから降りようと腰掛けた途端。 ふんわりと浩司の左腕が正面から私を抱きかかえる。 「辛くないか?吐き気はないか?」 頭の後ろから浩司が優しく囁いてくれる。 何だか妊娠してから浩司がめっちゃくちゃに優しいのよね。 「うん。なんともない」 軽く腕に触れると浩司が、おつむにキスしてくれた。 ひゃん。 これ、もう大のお気に入り。 カナちゃんがはげるって嘆いていたけど、はげてもいい。もっとやってー♪ 「ほら、立って」 「えー、もうちょっと」 「電車、間に合わなくなってもいいならな」 両肩をがっちりと掴まれて、はい、たっち。 ちぇっ。 「連れてってやるから。バスルームまで」 やん。うれしい。 「その代わり」 「うん、その代わり」 あ。 そんな熱い視線で私の顔覗き込まないでよ。 腰にゆるく腕が巻かれる。 はふぅ。 私妊婦さんなのに、思わず尾てい骨のあたりがぞわぞわする。 ……いけないわ、旦那様。 こんな朝っぱらから、それは危険行為よ! 「餅はないからパンで我慢してくれ」 「へ?」 何、いきなりそのへの字眉は? 浩司、朝から凄まないで。 「あーん?お前が言ったんだよ、餅って」 「餅?私が?またまた~」 言うわけないじゃん、餅なんて。 うぷっ! 「あ、おい美那?大丈夫か?」 「………想像したら、ウプッ」 「わ、ほら、抱えるぞ」 きゃあ。 いきなり姫抱っこ! びっくりしたけど。 まあこれはこれで。ムフ。 悪くないわね。
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