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そんな思い出の場所。
わたしのお気に入りのお店、キッチンはぴねす。
高校生だったわたしがこの店に出会い、たった一つのランチメニューに涙した。
今ならわかる。泣いた理由。
賑やかな店内で、ただ一緒に食事をしてくれた店長さん。その優しさと料理の温かさと美味しさに、思わず零れていた。
高校を卒業後、大学進学を理由に地元を離れてそのまま就職。就職三年目にしてやっと取れた長い休み。
ずいぶん寒くなってきて、あっという間に冬がやって来ていた。
あれ以来、キッチンはぴねすには行っていない。ハンカチも返せていないままで、本当は行きづらい。
でも、店長さんには会ってお礼が言いたかった。
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