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 学校でも家庭でも、わたしは一人ぼっち。気に止める人もいなくて、楽なのは楽。  でも、やっぱり寂しかった。  ドラマのあるシーンでは、楽しそうに食事をしていた。  読んだ本では、不器用ながら毎日味噌汁を作る女がいた。  大切な場面にはいつも温かい食事があって、わたしは羨ましくてたまらなかった。  母がいても忙しくて作り置きかコンビニ弁当。  いつしか美味しいって言葉もなくなってしまった。  コンビニだって美味しいし、嫌いじゃない。母も料理が下手なわけじゃないし、作り置きでも好き。  でも、いつもしょっぱい味がする。
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