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お互いに意識をしていないかのように
座っているが私は、気づいていた。
この2人は、お互いに意識をしていると……。
現に男性客は、いつもチラチラと
後ろの彼女の事を気にして見ていた。
女性客の彼女もまた
必ずその席に座った。
お気に入りの席だと言われれば
それまでだが……彼が寝坊して来られない日があると
チラッと彼のいつも座っている席を見て
ため息を吐いていた。
お互いに意識をしているのにも関わらず
話しかけないのは、お互いが奥手だからだろう。
仕方がない。
少し……私が手伝ってあげようか。
いつものように先に女性客が
同じ席に座った。
その後……5分ぐらい経ってから
男性客が現れた。そこで私は、
「今日は、いつもの席に違う方が
座られてしまったので相席でもよろしいですか?」
彼にそう伝えた。
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