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数珠子は、下履きに履き替え、帰ろうとしていた。
隣には従姉の開田まひるがいる。
数珠子は、現在まひるの家に住んでいる。
数珠子「教えてよ!! 」
まひる「知らんがなあ! そんな事、知ってるもんだと思うやろう」
数珠子「ま―そうだけど・・・・あ―――どうしようもう!! 」
まひる「フラッシュ暗算やりたいなら、小田商業に転校したらええんちゃう。それか、他
の部に入るか・・・うち、めっちゃ気になってる部があるねんけど・・・」
数珠子「あ――!」
数珠子は、まひるの話を切るかのように、何かをみつけて走って行った。
まひる「なんやねん! いきなり」
数珠子が走る先には、校門で掃除をしている女の子がいた。
数珠子「君、小田南中学の佐原梨差子(りさこ)さんだよね!! 」
梨差子「そうやけど・・・なんで川口中町中学の藤宮さんがおるんや? 」
そこに、まひるが追い付いてきた。
まひる「なんでいきなり走り出すねん」
数珠子「佐原さんも気づかなかったんだねえ。珠算部が廃部になってたこと」
梨差子「気づいてたで! 」
数珠子「うそ! 」
まひる「あんたぐらいやろう、気づかへんの」
まひるはするどいツッコミを入れる。数珠子「じゃあなんで? 」
梨差子「珠算を辞める為やで」
数珠子「なんじゃそりゃ! 」
まひる「あんたや! なんじゃそりゃは」
またも、まひるはするどいツッコミを入れる。
梨差子「藤宮さんもどうしてこの学校に? 」
数珠子「私は・・・親の仕事の関係で・・・・」
まひる「うそつけや! 」
今のは指摘である。
梨差子「とにかく、もう珠算とは離れる為にこの学校に来たんや」
数珠子「うそ! 勿体ないよあれだけの力があるのに」
梨差子「私に勝った人に言われとうないわ! 」
数珠子「ねえ! 一緒に珠算部を復活させへん。私と佐原さんなら全国にも行けるし」
梨差子「断る! 」
数珠子「なんで? 」
梨差子「私は、珠算が嫌いなんや! 」
数珠子「え・・・」
梨差子「そういう事やから。じゃあ! 」
そう言って、梨差子は去っていった。
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