時代といっしょに変わる生き方

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時代といっしょに変わる生き方

「うぅーん……」 「お目覚めですか、お客様」 「あぁ、」 「あっ! アイマスクはそのままで!」 「なんでだ?」 「起床後すぐに全神経をフル覚醒しようとするのは体に悪いんですよ。なので視界だけでもゆっくりと覚ましていこう、というのが当店の考え方でして」 「そういうものか。しっかし、今は何時だ? この建物に入ってからずっとアイマスクで感覚がマヒしてるんだ」 「ただいま夕方の五時でございます。お客様がご来店してからちょうど三時間といったところでしょうか」 「三時間? 三時間でこんなにぐっすり寝れたのは久しぶりだ」 「それはなによりでございます」 「最近眠るたびに見る悪夢もなかったしな」 「上司の方に追い詰められ、部下になめられ……イヤな夢は快眠からほど遠い存在でござますからね」 「毎日こんな風に眠りたいもんだ。あぁ、そうだ、何円だい? 表の看板には『タダ』だなんて書いてあったけど、そんなのウソだろう」 「いいえ。当店ではお代は頂いておりません」 「冗談だろ? こんなに素晴らしい快眠サービスを提供しときながら、金のひとつも取らないなんて」     
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