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第7話
目を覚ますと襖のかすかな隙間から朝日が差し込む。
「ん………」
やや前日の疲れを感じながらも上体を起こす。
「さて………と。」
朝餉の用意がある宵は素早く着替える。
部屋の外に出ると廊下で幸村の側近の1人、穴山小助がいた。
「小助様、おはようございます」
宵は愛想良く微笑んだ。
「おはようございます。昨日はお疲れ様でした。」
小助は昨日のことを知っているのか、労いの言葉をかける。
「いえ……私はなにも…………」
「いえいえ、子供たちと打ち解け、楽しく遊んでいたとか。入道兄弟も大変喜んでいましたよ。」
「え?」
「ふふ、2人が子供たちを他人に紹介するなんて滅多にないんですよ。」
「そうなんですか……とても光栄です。」
宵は小助の温かい言葉に顔をほころばせる。
「そういえば、もう城下には行かれましたか?」
「城下……ですか?少しだけ…」
「そうですか……いずれ買い出しなども頼みたいなぁと思っていたので今日良ければ案内しましょうか?」
「本当ですか!?是非お願いします!」
宵は嬉しそうに笑った。
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