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見上げると、ミナトは困ったように笑う。
「・・・その、俺さ最初リンに酷いことした自覚はあるんだけど・・・。今日はリンといたいなと。」
語尾が、聞き取れないくらい小さくなっていく。
・・・もしかして、
「俺が男だから、そういうの興味なくなったのかと思ってた。」
もしかして、我慢、してくれてたのだろうか。
「・・・あのなぁ、あの後俺がどれだけ・・・・・・。
いや、いいっつーか、完全に裏目にでてたってゆーことだよな?」
項垂れるミナトは大きな長い溜息をついた。
「や、だって」
「今日は抱くから。」
そう宣言したミナトは俺の手を掴んでぐんぐん歩き出す。
ミナトの手は熱くて、引かれるまま後ろを歩いていると耳が赤くなっていて。
「・・・あんま見ないで。」
「・・・え、」
振り向かず前を見ながら話し始める。
「・・・前に言ったろ?俺、臆病なんだよ。
リンが近くにいて嬉しいんだけど、自分の理性が飛んで傷つけたりしないかすげぇ怖い。」
きっと始まりが、あの日の夜がミナトにとってトラウマになってるのかもしれない。
「・・・ミナト、俺は大丈夫だから。
女の子じゃないし、ちょっとやそっとじゃ、壊れない。
・・・それに俺もミナトのことが好きなんだから。」
早足で連れられて、アパートの階段を駆け上がった。
「・・・マジで、煽んないで。」
弱々しく、勘弁してよ、と言うミナトがなんだか愛しいと思った。
ドアのロックを解除して、玄関を入って直ぐ、正面からキスされる。
「・・・っん、」
柔らかい唇が優しく、強く触れて、舌がそっと唇の間をなぞる。
受け入れようと、自ら唇を開くと、舌が絡まって腰に甘い快感が駆け抜けた。
「・・・ん、ッッ、・・・はぁ、立ってられな・・・!」
久々の快感に、足に力が入らない。
壁に寄りかかってはいるけど、キスをしながら少しずつ下がっていく。
「・・・もう、ちょっと。」
ミナトは右足をぐっとだして、身体を密着させてくる。
・・・勿論下半身も密着するわけで。
「リン、・・・凄いことになってんね。」
「・・・っみ、ミナトだって、ガチガチじゃん、ッッ」
密着した部分を擦るように動かすと、ミナトが眉間に皺を寄せた。
「・・・っく、」
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