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きっとミナトは俺が想ってる以上に俺を大切にしてくれようとしていて。
恋愛経験豊富な慣れてる筈のミナトが、色んな事をぐるぐる悩んでくれたのは、嬉しかった。
「・・・っん、ミナト、・・・俺は、ちゃんと、ッッ、ミナトが好き、だから。
いっぱい、悩ませてごめん。・・・っふ、ぁ、・・・。
でも、・・・ありがと。うれ、しいよ。」
いつもは、恥ずかしくて言えないことでも、伝えなくちゃいけない気がして。
ソレをきいたミナトは、熱っぽい眼差しで俺を射る。
「・・・っはぁ、あ~、もう。
・・・リン。明日立てなかったらごめん。」
そう言うと、ぐっと足を抱えこみ、さらに激しく動き始めた。
「・・・っえ、・・・あぁ、ッッちょ、っ激し」
「・・・もう、ダメ。今日は俺にトコトン付き合ってね。」
それからは喋れなくなるくらい、激しく突かれて、何回果てたか覚えていない。
最後はもう、何も出ずに意識を飛ばしてしまった。
「人は一人では生きていけないから」
母が教えてくれた言葉。
純粋に、お金を稼いで寝る場所があれば、人は生きていけると思ってたし、実際一人暮らしも普通にしていた。
きっと母は人が好きだったんだと思う。
俺は、人は苦手だよ。
だけど、最近はちょっと楽しいって思えるようになってきた。
人のぬくもりを知ったから。
気持ちを伝えて、同じ気持ちが還ってくる事がこんなに嬉しいものだって知ったから。
夢の中の母は、すごく嬉しそうに笑っていた。
パチッと眼を開けると、暗闇で夜なんだと気付いた。
躰にはミナトの腕が巻き付いていて離れない。
しん、と静まりかえった部家は時計の時間を刻む音だけが響いていた。
時間を、確認しようとすこし身動ぎすると、
「・・・・・・リン?」
ミナトがうっすら眼をあけて俺を抱きしめた。
「悪い、・・・おこ、した?」
・・・声がカラカラだった。
「ふふ、リン声凄いね。」
ふにゃっと笑うミナトの顔は俺の好きな笑顔だった。
「・・・誰の、せい、だ!」
あぁ、俺のせいかぁ~と戯けていつもの調子に戻ったミナトを見ると、酷く安心したんだ。
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