第十四章 相愛

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ミナトが起き上がってミネラルウォーターを取りに行ってくれた。 「あり、がと。」 口にすると冷たい液体が喉を潤して、心地よかった。 「・・・身体、大丈夫?」 あんまり心配そうに見下ろすもんだから、つい笑ってしまった。 「はは、・・・なんかミナト、心配しすぎ。」 「!!・・・や、だって、」 「俺は大丈夫。ミナトと同じ男だし?ちょっとやそっとじゃ壊れない。 ミナトが俺を怖がらせたくないって言ってたけど、俺はミナトに色んな事を我慢してほしくないから。」 「・・・・・・・・・うん。」 「もちろん、遠慮もしないでほしいんだ、どんな事でも。この先ずっと。」 今はミナトが俺を好きだと言ってくれて、それでいいかもしれない。 五年先、十年先の保証なんてない。 気持ちを縛る事なんて出来ないから。 だから、もしもこの先、女性と一緒になりたいと言われたら、それは仕方ないことだ。 早坂さんが隣にいた時に、嫉妬と、純粋に自然にお似合いだなって思った。 だから俺に遠慮することは優しさじゃない。 「・・・わかったよ。でも、リン。 リンも俺にそうやって何かを遠回しに伝えようとしてる。 それを俺はまだ聞いてないよ。」 ・・・やっぱミナトは人の行動とか言動をよく覚えてる。 「・・・俺はただ、その、今ミナトが望んでくれるなら一緒に居たいと思うよ。 ただ、男同士だと結婚もできない。勿論子供も。 その、早坂さんと、ミナトはお似合いだと思うし、彼女もミナトに好意があるように見えたから。 彼女に限らず、例えばこの先一緒に居たい女性が居れば俺は」 「リン、ちょっと待って!・・・え、マジで色々待って。・・・・・・・・・。」 ミナトが明らかに困惑していて、 「・・・・・・・・・・・・。」 「・・・リンさぁ、ホント一人で悩む前に俺に言ってよ・・・。」 はぁ~っと盛大な溜息をついたけど、ミナトの顔はどこかスッキリしていた。 「・・・も~、リンはホントにネガティブ思考すぎ。 早坂には口止めされてたけど、アイツぜんっっっっぜん恋愛には興味ねぇぞ。 というよりは自分の恋愛に興味がない。」 「え、」 言ってる意味が分からない。 自分の恋愛に興味無い人いるのか?
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