第十四章 相愛

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「リン、・・・BLってしってる?ボーイズラブ。」 「・・・あ、あぁ、聞いたことはある、」 自分の性癖を自覚した時、ネットなどに上がっていたワードだしな。 「早坂は、BLをこよなく愛する腐女子、ってやつなの。 まぁ表向きは知られないように今どき女子ってのを演じてるみたいだけどな。」 俺がバラしたこと秘密にしててくれよ、ってバツが悪そうに言う。 「・・・そうだったんだ、って、え?じゃあ、早坂さんて・・・俺達の事・・・、」 「・・・うん、悪いけど知ってる。っつーか、バレてたみたいなんだよな。 その、俺とリンがよく飯いったりしてたじゃん?偶然見られてさ、、、。」 ・・・ん? でも俺達って端から見るときっと友人同士に見られるよな。 別に二人で歩いてたってそこに結びつけるのは難しいんじゃ・・・。 「え、二人でいるとこ見ただけで・・・?」 「まぁ・・・。その、俺さぁ、結構分かりやすいくらいリンと他の人と態度っつーか表情っつーの?違うらしいんだわ。 否定してもしつこいのなんの・・・。」 成る程。早坂さんの粘り勝ちか・・・。 「で、まぁ俺もまさか気持ちが通じるなんて思ってなかったから・・・色々男同士の恋愛について教えられた訳。」 「・・・・・・・・・。」 俺が返答しないでいると、ミナトは慌てて俺を覗き込んだ。 「・・・ごめん、怒った?知られたくない、よな、」 謝るミナトに我に返って 「あ、いや、違うよ。 なんか、その。ごめん。・・・俺、二人を見てたらモヤモヤしちゃって。 早坂さんがミナトの事好きなのかもって思ったらさ、なんていうか・・・男の俺がミナトの隣にいていいのかな、とか。なんか罪悪感があったりしてたから。 ・・・正直ホッとした。」 気持ちを吐露できてスッキリしたけれど、ヤキモチばっかり妬いてる自分が情けなく感じる。 「・・・いてよ。ずっと。」 「・・・え」 「悪いけど、俺はリンの事絶対離す気ないから。 俺の隣はリンで、それは今もこれからも変わる予定はないよ。」 「・・・・・・ミナトはそれで、後悔しない?」 俺は分からないんだ。ミナトに決断させて、その決断を歳を重ねてから後悔して欲しくないから。
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