第一章

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大学生活は楽しかったけれど苦痛だった。 もともと高校は男子校だったせいか恋愛事に疎く、男友達と馬鹿やって過ごしていた。 大学生活はサークル・合コン・飲み会など人見知りの俺にとってはストレスだった。 そうは言っても仲の良い友人はいて・・・。4人でいることが多かった。 小学校の時からの付き合いのいわゆる幼馴染、シノこと四ノ宮 桂(しのみや けい)、高校からの付き合いのサクこと金城 朔真(きんじょう さくま)、ミナトこと石飛 湊(いしとび みなと)だ。 男子校でもイケメンと他校で名前は知られたりしていたようだ。 シノは中学では一番小さかったのに高校に入ってぐんぐん伸びて180cmを超えて、俺はあっという間に抜かされてしまった。黒髪、切れ長の三白眼で目つきが悪いのを本人は気にしているようだが・・・すごく優しくで良いやつだ。 サクはスポーツマンタイプで体格が良くてケンカも強い。身長は170cmくらいで俺とあまり変わらないけど体格の違いのせいかでかく見える。 黒髪・短髪で誠実な男。 シノと対象的なのはミナト。185cmの長身で茶髪・襟足が長くてチャラチャラした感じ。ただ揉め事は嫌いで空気の読める平和主義者だ。 この3人はとりあえずモテた。遊びとか抜きにしたら一番はやっぱりシノだろう。 俺はというと・・・173cmと背も平均的、身体の線も細い。ガリガリって訳じゃないけれど筋肉などつきにくいらしい。 全体的に色素が薄く、儚いような大人しそうなイメージに見られることが多いから実際話すとイメージと違うなどといわれることも多々ある。 あの頃、自分の性癖や気持ちなど何も自覚がない頃はただ楽しかった。 毎日会って、騒いで、笑って・・・それだけで満たされていて。 だけど ある日突然自分の気持ちを自覚して・・・ それからは急降下だった。
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