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「・・・で?何考えてたの?四ノ宮くんの事??」
サキちゃんには大体俺が考えていることくらいお見通しだろう。
「・・・まぁそんなとこ。」
はぁっっ、と盛大なため息をついて可哀相な眼で俺を見る。
「リンちゃんさ、中身は超ネガティブだし、とっつきにくいけどさ、外見はいいんだからさ、もっと他に眼を向けても良いと思うんだけど。
告白するつもりも無くって?違う人にも眼を向けないんじゃ何も変わらないよ。」
・・・うん、痛いとこをついてくる。
そう、三人はそれぞれ就職して、仕事をしてる。
俺も小児科併設の薬局で薬剤師として働いているし、サキちゃんはその小児科の看護師だ。
シノは医療機器の開発、ミナトは営業、サクは獣医をしてる。
半年に一度は四人で集まって飲みながら昔の話をしたりしているのをサキちゃんは知っている。
大学卒業して会う機会も減っているのに、俺の中の気持ちは消えないままだ。
「無茶だよ、そりゃ。・・・俺は今のままで充分満足してる。」
丁度いいタイミングで注文の品が届き、一旦話を中断して食べ始めた。
俺は、今のままで良い。
今のままが良い。
納得のいかない様子で割り箸を手にとって、サキちゃんも食べ始めた。
男同士の恋愛なんて、世間一般から見れば気持ち悪いと感じる人もいるし、何より結婚も、子供だってできない。
もう恋だの愛だの気持ちだけで突っ走れるほど青くもない。
「サキちゃんは結婚したいなって思う人いなかったの。」
ラーメンを啜りながらジトッとこっちに目を向けて、
「そんな人いたら結婚してるわよ。」
・・・ですよね。
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