ボタンの行方

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「大丈夫だよ、私は」 「どこがだよ。 小泉の”大丈夫”って 全然信用できないんだよ」 本当に、 志藤くんは遠慮がない。 思い返せば大学生の頃から 彼はこうして ことあるごとに 私を心配し、気にかけてくれていた。 志藤くんが苦手だった私は 当時その親切を お節介としか思えず うっとうしく感じていたっけ。 「とにかく小泉は休む!」 「はーい」 「ったく……。 あんま心配かけんなよ。 俺にも、GMにも」 「……うん」 私が結婚しても こうして変わらず 志藤くんは気にかけてくれる。 友だちとして、自然に。 それをありがたく思いながら 食べかけのサンドイッチに 再び手を伸ばした。
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