ボタンの行方

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それに反論しようとは思わない。 マダムのような人から見れば どんな美人も 取るに足らない ありふれた女になるだろうから。 『あのハルトが 若いだけのつまらない女と 結婚するとは思えない。 あなたは自分の どこがハルトにふさわしいと思っているの?』 その問いかけに 私の頭は一瞬真っ白になった。 そこまで直接的に マダムに問われるとは 予想していなかったのもある。 そしてその問いは 私がずっと 考え続けている つまり答えがいまだに 見つかっていないものだったから。 黙り込んだ私に マダムは呆れたように シャンデリアの輝く 高い天井を仰いだ。
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