ボタンの行方

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愛し合っていれば 結婚するのは当然のこと。 愛の先にある 結婚こそがゴールだと 以前の私は思っていた。 それが世間一般の 常識だという認識だ。 ただ、嬉しかった。 温人さんにプロポーズされた時 愛の最大級の証明だと。 いざするとなると 怖気づいたりもしたけれど 私はとても幸せだった。 ただ、幸せだった。 『あなたはハルトに ふさわしい人ではないようね』 マダムのサファイアは 冴え冴えとした輝きでもって 私を正面から射抜く。 完全に負けていた。 彼女の同じ人とは思えない 圧倒的な何かに 情けないほど気圧されていた。
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