グラッドストンカンパニー

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 だが、万人に好かれると言うのは実に難しい。我々を愛してくれる人がいる半面、恐らくごく少数ではあるが、我々を嫌う者達もいる。  彼らから見れば、我々の事は犯罪組織であり暴力的集団という事になってしまうらしい。確かに、仕事への熱意溢れる者達が揃っているから、時として荒っぽい場面も訪れる。だが、それは決して彼らが粗野な人間であるからではない。溢れんばかりの熱意が彼らを突き動かしてしまった結果なのだ。  言うまでもないが、そんな理屈が通らない場合は多々ある。  悲しい事だが、それで済ませるわけにはいかない。私とて熱意溢れる部下と会社を守らねばならないからだ。  私自身は全く無力な男であるから、出来る事と言えば話し合いだけだ。相手を丁重にお迎えして、しっかりとした話し合いの中で解決の道を探っていく。いつだってそれを心がけている。場合によっては迎えに行かせることもあるし、何ならご家族を私の家に招待したってかまわないのだ。それで解決策が導き出せるのであればね。
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