開いた口

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開いた口

 どうして人は、無防備に口を開けて眠ることができるのだろうか。  電車に揺られながら、サイコパスはふと思った。  目の前に座る男の子の開いた口がどうしても気になる。  疲れているのか、閉じる様子もなくずっとそのままだ。  ダサい服装にアホっぽい顔。  男の子の口が……開いている。  サイコパスは考えた。  あの大きな口の中に鉄パイプのような長いものを押し込んだら、面白いんじゃないか。  食道から胃まで、そのまま内臓に穴が開くまで力任せに押し込んだら、どんな表情をするんだろう。  サイコパスは想像してみた。  急に襲われる激痛、異物が入ってくる圧迫感、破れた内臓からの出血、それに伴う吐血、あまりの痛みに眼は涙で曇り、気を失うほどの苦痛。  サイコパスは、なんだか楽しくなってきた。
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