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熊さんも縦横にでっかいし、なんか俺、誰といても首が痛くなるサイズなのが悔しい。
地元の商店街とは違ってこの街はまだまだ眠らない。きらびやかなネオンと道行く人の群れを見回しながらブラブラ歩いて適当に流行ってそうな定食屋に吸い込まれる。
「あー、腹へった。何食べよ」
メニューを眺めながら、ふと昨夜のやり取りを思い出す。
「俺、本当に友達とご飯食べに来るなんて初だわ」
「え」
メニューに釘付けだった鳩さんが顔を上げる。
「地元にいる頃からいつも金太にくっついて歩いてたから、今すごい新鮮な気分。大丈夫かな?俺、普通に友達らしくできてる?変じゃない?」
「……、なんか連太郎本当にお姫様育ちな」
「だからっ、姫じゃねぇっての」
「怒るなって。友人として何も問題ないから早く注文しろ」
嬉しさと悔しさが入り交じった微妙な気持ちで再びメニュー表に目を落とす。
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