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宮田さんだけじゃなく、きっと今日は商店街のみんなが浮き足立っている。
なんせテレビが取材にくるのだ。そしてこの商店街を練り歩きながら食レポをするのが今をときめく男性二人組アイドル「イソフラボン」だなんて聞いたら俺だって多少そわそわしてしまうってもんだ。
「朝から賑やかだなー」
身支度を整えながら、熊さんが二階から下りてきた。
俺の師匠、熊さんは名前の通りのずんぐりおじさんだ。見た目でかなり損をしているけれど、美容師としての腕はいわゆるカリスマだ。
「熊さんも連ちゃんもよく落ち着いてられるわねぇ、私もう昨日からドキドキしちゃって眠れなくて」
「俺らはあんまり関係ないからなぁ」
「そうそう。食レポですよね？後で野次馬しに行こうかな～くらいの気持ちです」
「はぁぁ、代わって欲しいわぁ……、あっ！そうか！代わってもらえばいいんだ！連ちゃんちょっと私の代わりに」
「お断りします」
「んもぉお！」
即答した俺に爆笑する熊さん。緊張でパニクる宮田さん。今日も商店街は元気だ。
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