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「あぁ……、うどんが」
「うどん?」
「きつねうどんがすごくうまそうに見える……」
「はいはい、連太郎きつねうどんね。俺カツ定食だな」
「炊き込みご飯も付けるー」
注文を済ませ暫しの間、鳩さんと賑わう店内を眺めていた。沈黙が苦にならない。それが桃太にとても似ている。けれど当たり前だけど鳩さんは桃太とは別人だ。二人に共通する居心地の良さ。こんな友人をこの先何人作ることができるんだろうか。
間もなく運ばれてきたきつねうどんの温かい湯気に思わず頬が緩む。鳩さんもカツ定食を前にして同じような顔をしている。
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