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「いってぇ……」
足下気をつけろと言われたのに転んだ。連ちゃんは危なっかしいと言われていたのに転んだ。とっさの事に手もつけず、思いっきりおでこを本棚にぶつけた。一瞬のうちに色々な思いが交差して自分の鈍臭さに嫌気がさす。
でも違和感に気付いたのも一瞬だった。
起き上がろうとした体が鳩さんに押さえつけられていたからだ。
「鳩さん……?」
あれ?何かがおかしいぞ。と頭の片隅がざわつきだす。こんなに派手にすっ転んだのを見たはずなのに鳩さんが一言も声を発しないのだ。だって普通だったら「大丈夫か」とか「ケガしてないか」とか……、それが聞こえないってことは……。
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