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「鳩さん……?」
俺の二度目の問いかけにやっと鳩さんが動いた。押さえつけられていた上体を起こされ、本棚に押さえ付けられる。無言のままの鳩さんに再び違和感を覚えた時には唇を塞がれていた。
「――…っ、や」
キスなんて、本来こんな状況でするもんじゃないはずだ。抵抗しても離してくれない鳩さんを初めて怖いと思った。危険信号に混乱する頭がうまく回らない。息苦しさの中、相手が変わるとキスも全然違うんだな、などど暢気な感想までが出てきた。
「も……、やだって!鳩さんっ」
なんとか鳩さんを振りほどいてみたけれど、体が震えてうまく動けない。再び鳩さんに本棚に押さえ付けられて気づいた。鳩さんも俺に負けないくらい震えている。
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