【5】切ない予感

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「せや、この髪な、すごい似合(にお)てるて褒めてもろたで」 「ほんとですか。良かったです」 「ええ結婚式やった。ほんまに」 「良かったですね」 「温人のおかげや、ほんま…」  そう言ったとたん、ふいに熱いものがこみあげ、勇士郎はナイフを持ったまま、手の甲で零れ落ちた涙を拭った。 「……ユウさん」  温人が痛ましげに声をかける。 「違う、……ごめん、なんかホッとしたんや。オレの青春、ちゃんと終わらせられたんやなって、思って」  勇士郎はもう一度グイと涙を拭うと、温人に微笑みかけ、涙を呑み込むように、熱いスープを口に運んだ。
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