【5】切ない予感

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 翌朝は少しばかり酒が残っていたものの、シャワーを浴びて、温人が用意してくれたトーストとサラダの朝食を食べ終わる頃には頭もスッキリとしていた。気分も悪くない。  なんとなく良い日になりそうだと思っていた矢先、温人からとんでもないことを訊かれた。 「ユウさんて、辻野さんのことが好きだったんですか」 「――え?」  麦茶を飲む手を止めて、呆然と温人を見つめる。 「だって昨夜、言ってましたよね、男の人が好きなんだって。青春を終わらせられたっていうのも、そういう意味なんじゃ」 「誰が?」 「ユウさんが」 「え?」 「え、」 「ええっ?」 「ええっ!?」 「う……は、ははっ、……ぅ、」 「う?」 「……ウソやんな?」 「いえ? 嘘じゃないですよ。『オレ、男しかアカンねん』て言ってました」  勇士郎は穴が開くほど温人を見つめ、次の瞬間、電光石火の速さで自室へと逃げ込んだ。  ベッドに頭から潜り込んで、ギュウウッと小さく縮こまる。 (アホや…! アホやアホやアホやあぁ―――!!)  あまりの衝撃と情けなさに涙が出て来る。 「ユウさん……」  ドア越しに心配そうな温人の声が聞こえる。 「く、来んな!!」  布団の中から大声で叫ぶ。それでも温人は部屋に入ってきた。
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